ペンタブレットのススメ。Wacomの板タブを20年使って分かった事。

WACOM Intuos Pro
Image:Amazon

私は普段お仕事でデザインをする時は、Wacomのintuos Proaというペンタブレットを使って広告デザインの業務をしたり、映像制作をしたりしています。

慣れるとこれなしでは仕事にならない、と言うほど役立つ相棒です。今日はそんなペンタブレットの魅力を伝えていきたいと思います。

ペンタブレットが合う人
  • ツールを素早く正確に操作したい人
  • ベジェ曲線を滑らかに引きたい人
  • AEのエフェクトなどで滑らかな線を引きたい人
【広告】

ペンタブレットの何がそんなに良いの?

いきなりちゃぶ台返しですが、ウェブブラウジングなどする時などはマウスの方がリラックス出来て良いと思います。実際、私もウェブブラウジングやワードプレスでブログを書く時はマウスを使っています。マウスは安定していて、細かい操作を必要としない作業には適しているんですよね。

じゃあどんな時にペンタブレットが役立つかと言うと、PhotoshopやIllustrator、PremiereやAftereffectsといったクリエイティブなソフトを使う時に便利です。特に手の動きに応じて繊細な操作が求められる場面では、その力を発揮します。

例えばベジェペンツール。マウスでもベジェラインが引けますが、ペンタブレットだと素早く正確に引けます。筆圧や傾き検知もあるので、Photoshop等で線に表情をつけることも可能です。また、動画制作ソフトだとタイムラインのクリップが素早くつまめたり、ツールボックスにサッとアクセスできるスピード感はマウスでは到達できない快適の領域です。

マウスだと選択したい箇所をまで移動してクリックするのにちょっとよたつくところが、ペンタブレットだとダイレクトに選択できるのがメリットです。操作感も軽やかで、作業スピードがぐっと上がります。ちょっとしたドラッグ操作でもスムーズで、ストレスが減るんですよね。

マウスは操作する人と機器の間に1枚フィルターがある感じがするのですが、ペンタブレットだと直感的にスラスラと操作ができて快適です。「手の延長で操作できる」とよく言われますが、本当にその通り。ペンの動きと画面の動きがリニアにリンクするので、繊細な作業にも向いています。思い通りにカーソルを動かせるので、作業そのものが楽しくなります。特に長時間作業する人にとっては、手首の疲労感も大きく変わってくるので、体への優しさという面でも利点があります。

ペンタブレットと言うとイラストレーターさんが使っているイメージですが、その他のクリエイティブの操作を行う時にも快適に使えます。レタッチやカット編集、合成作業など、クリエイティブ全般におすすめです。単なる入力デバイスというより、素敵な相棒として付き合いたくなる存在なんですよね。

20年ほどペンタブレットを使ってきましたが、リニアでピタッと狙いを定めて素早く作業をするならば、やはりペンタブレットに勝るものはないと感じています。最近は液晶タブレットも良いなーと思い始めていますが、設置場所が苦しいので今後も板タブを相棒としてつかっていくのかなと思います。

ペンタブレットのデメリットは?

キーボードが遠い…

ペンタブレットは慣れるまでが少し大変です。板タブにペンを走らせながら、視線は画面に向ける訳ですが、操作と画面のリニア感に慣れるまで少し時間がかかります。最初は「思ったところにカーソルが行かない!」と感じるかもしれませんが、数日使えば自然と慣れてきます。

また、タブレットを置く関係上キーボードを置く位置の自由度が限られます。手元にペンタブレット、タブレットの奥にキーボードという位置になるので、遠くなるんですね。これが嫌でペンタブレットを諦める人もいます。とはいえ、キーボードショートカットの配置や角度を工夫すれば、十分に快適な作業環境が作れます。

そしてこれは結構ストレスですが、右クリックはマウスの方は確実にやりやすいです。ペンタブレットの付属のペンで右クリックするのはちょっと慣れが必要です。

あとペン先は消耗品です。長く使っているとペン先が削れておかしな挙動をするようになります。そんな時は替芯で新しいペン先にすれば治ります。

【広告】

ペンタブレットのオススメは?

Wacom Intuos (Small / Medium)

迷ったらまずコレ!ドライバの安定性と信頼性はピカイチ。筆圧4096レベル対応で、線の強弱もきちんと表現できます。Bluetooth対応モデルもあり、ケーブルレスでスッキリ。イラスト、写真レタッチ、手書きメモなど幅広く対応しています。

ちなみにCTL-4100(Small)はコンパクトで持ち運びにも便利です。

Wacom Intuos Pro (S・M・Lサイズ)

プロ並みの描き心地を、デスクサイズに収めたモデル。筆圧8192レベル・傾き検知対応で、紙に描くような自然な感覚。マルチタッチやショートカットキーで、操作性も抜群です。写真編集やベクター系デザイン、動画編集にもオススメです。

Wacom Cintiq 16 / Cintiq Pro 24

液晶一体型で、画面に直接ペン入力ができるモデル。実際に“描いてる”感覚が得られ、作業への没入感が段違い。発色も良く、カラー管理が重要なプロの現場でも安心。価格は高めですが、投資の価値ありです。一昔前の物はペンと実際の画面の描写のズレが有り使いづらかったですが、最近の物はとても精度が高くなりました。

ペンタブレットのサイズ選び

私は外出でカフェなどでMacBookAirを開いてクリエイティブな作業をする時は、IntuosのSmallサイズを使っています。小さいながらも精度の高い操作が可能で気に入って使ってます。ただちょっとタブレットの操作範囲が狭い文、反応が若干ピーキーです。(Mサイズを使っている者の意見)

逆にデスクにドンと据え置いて使う時は、intuos ProのMサイズを使います。Sサイズだと若干操作感がピーキーですし、Lサイズは操作の幅がすごく広くて疲れます。

なので特別な理由がない限りはMサイズで良いと思います。

【広告】

ペンタブレットは必須か?

慣れると便利なペンタブレットですが、先に述べたデメリットにある通り、操作性と引き換えにするものが色々とあります。特にデスクの場所を取りますので、マウス操作がちょっとしづらいなんて事も…

それでもソフトの操作の快適性を取るならば、ペンタブレットはオススメです。やはりダイレクトに操作している感じがして精密です。

ペンタブレットを使っている著名人

村田雄介(漫画家)

代表作:『アイシールド21』『ワンパンマン』など
Wacom Cintiqを愛用していることで知られています。特に『ワンパンマン』では、全編デジタル作画。作業風景がテレビやYouTubeでも取り上げられ、ペンタブ愛用者の間では“デジタル神”と崇められています。
https://x.com/NEBU_KURO/status/7838870722

あんじゅ先生(YouTuber)

「ペンタブ開封レビュー」や「板タブと液タブの違い解説」など、ペンタブレット関連の動画で人気。Wacom Intuos ProやXP-PEN Artistシリーズを使いこなしており、初心者にも分かりやすく使い方を伝えてくれる存在です。
https://anju-manju.com/?p=4167

吉田明彦(ゲームアートディレクター)

代表作:『ファイナルファンタジーXII』『タクティクスオウガ リボーン』
独特のファンタジー世界を構築するアートワークはすべてデジタルベース。Wacom製ペンタブレットを駆使して繊細かつ重厚な背景やキャラクターを生み出しています。
https://tablet.wacom.co.jp/article/drawing-with-wacom15

新海誠(アニメーション映画監督)

代表作:『君の名は。』『すずめの戸締まり』
演出や構図指示のラフスケッチなどに、液晶タブレットを活用。デジタルと手描きの融合を重視しており、制作チームでもWacom Cintiqが多数使われています。
https://x.com/shinkaimakoto/status/230493310823841792

【広告】

ペンタブレットは中古でもいい?

私はintuos 2・3・Proと乗り換えてきましたが、ショートカットボタンのレイアウト以外はあまり違いが感じられませんでした。正直ショートカットボタンは誤動作の元になるので使っていません。なので中古の型落ちを選んでも満足のいく結果になるのではないかと思います。ペン先が消耗しやすい部分なので、替芯が付属しているか確認しましょう。なければAmazonで売ってますので購入しましょう。

まとめ

ペンタブレットは、特にクリエイティブな作業を行う人にとって欠かせない存在です。PhotoshopやIllustrator、Premiereなどのソフトで繊細な操作が求められる場面では、マウスよりも直感的でスムーズな操作が可能。筆圧や傾き検知によって、表現の幅も広がります。

Wacom Intuosシリーズは初心者からプロまで幅広く対応しており、自分の作業スタイルに合わせてサイズやモデルを選べます。慣れるまでは多少の練習が必要ですが、一度使いこなせば作業効率は大きく向上します。

実際に多くの著名クリエイターたちもペンタブレットを愛用しており、その信頼性の高さがうかがえます。また、中古モデルでも十分な性能を持っているため、予算を抑えたい方にもおすすめ。快適な作業環境を整えたい方は、ぜひペンタブレットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

プロフィール背景画像
有邊冬萠|Tomo Aribe広告映像デザイナー・ディレクター
ガジェットマニアZの運営者です。本業は広告デザイナー、そしてトランスジェンダーでもあります(MTFTX)また、Amebaチョイスの公認専門家としても活動中。スマートタグの記事はこちら。

詳細なプロフィールはこちら
メール(記事執筆依頼など)はこちら
著者の他の記事を見る