突っ張り棒で簡単!ドルビーアトモス用の天井スピーカー構築方法

最近オーディオ環境の構築と改善に日々邁進している筆者です。
ホームシアター好きの皆様こんにちは。

皆さんサウンド環境の構築はお好きですか?
ホームシアターの環境構築はもちろん、音楽配信やレコードプレイヤーまで、沼にハマっている人はあらゆる「音」のソースに浸っている事だと思われます。

そんなオーディオ・ビジュアル好きに欠かせないのが「AVアンプ」です。

AVアンプはホームシアター用途のみではなく、あらゆるオーディオソースをまとめ上げてくれる便利な機械。そしてそんなAVアンプ業界で最も手軽且つ奥が深いオーディオ体験が出来るのが「Dolby Atomos(ドルビーアトモス)」という技術です。

ドルビーアトモスとは立体音響の一つで、音響空間を360度の球体に見立て、その中を音が自由自在に動き回るフォーマットを指します。特に縦方向の空間表現を特徴とし、視聴者に天井から降り注ぐような音響体験を提供します。

ドルビーアトモスは主に映画館で使用され、その後家庭用ドルビーアトモスとして、AVアンプの機能として最近はエントリークラスの製品にも搭載されてきました。

ドルビーアトモスはイマーシブオーディオとも呼ばれ、最近ではApple Musicの「空間オーディオ」がドルビーアトモスを採用し、今までのオーディオとはレベルが違う立体的なBGM体験を実現しており、今後ホームシアターの場のみならず、益々ドルビーアトモスの活躍の場が広がっていきます。

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「リアル」ドルビーアトモスを構築してみよう!

そんな素晴らしい音体験をもたらしてくれるドルビーアトモスですが、最高の環境で聴こうとすると、実はかなりハードルが高いことが分かります。

通常のサラウンド環境に加え、リアルなドルビーアトモスは天井にスピーカーを取り付ける必要があるんですね。

もちろん、イネーブルドスピーカーと呼ばれるものを使えば、ある程度のドルビーアトモスの体験は可能ですが、ちゃんと環境を整えたリアルドルビーアトモスには音響効果面で劣ります。

↓筆者オススメのイネーブルドスピーカーです。

本当のイマーシブオーディオ体験をしたいのであれば、やはり天井取り付けスピーカーに挑戦したいですよね!ホームシアターマニアの夢ですもの…

そこで今回はなるべく低コストで、最もシンプルな方法「ジャッキ式突っ張り棒を用いた天井スピーカーの設置方法」でリアルドルビーアトモスのホームシアター環境の構築をご紹介したいと思います。

それではhere we go!

無いと始まらないもの

まずは当然ですが、ドルビーアトモスでホームシアターを構築するにはそれに対応したAVアンプが必要です。筆者が使っているのはDENON のAVアンプ「AVR-X4700H」です。

AVR-X4700Hは最大で11.1chのスピーカーが接続可能ですが、それは後述します外部パワーアンプを追加することで実現できます。外部パワーアンプを加えることにより、天井に4つのスピーカーを取り付け7.1.4ch(フロアサラウンド7ch、サブウーファー1ch、トップスピーカー4ch)のサラウンド環境を構築することが可能です。

↓筆者使用のホームシアター用AVアンプ、AVR-X4700Hです。

AVR-X4700Hは11.1chプロセッサを搭載していますが、アンプは9.1ch分しか積んでいません。そのため、追加の2ch分を外部パワーアンプに接続して補う必要があります。

トップリアのスピーカーチャンネルを外部パワーアンプにプリアウトするのであれば、高価なアンプは必要ありませんので以下のような安い中華アンプで十分です。

↓筆者オススメの外部パワーアンプ

下位機種の「AVR-X1700H」は7.1ch対応のアンプで、天井に2つ(5.1.2ch)になりますが、スピーカーの取り付けが可能です。こちらは外部パワーアンプは必要ありません。

↓下位機種のAVR-X1700Hです。

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どうやってドルビーアトモス用のスピーカーを天井に取り付けるの?

ドルビーアトモスの効果は天井に適切な位置でスピーカーを取り付ける事により、最大の効果を発揮すると言われています。

Image:Pioneer

でも天井にスピーカーを取り付けるって中々難しく、現実的ではないですよね。
今回そこで活躍してくれるのが、皆さんご存知の「突っ張り棒」になります。

突っ張り棒でスピーカーを天井に吊るすのって危なくない?と思われがちですが、最近の突っ張り棒ってとても強力で、「ジャッキ式」と呼ばれるタイプの最新式の突っ張り棒であれば、適切な取り付け方をすればびくともしないんですね。

実際筆者が実践して三ヶ月が経ちますが、毎日快適にホームシアターでドルビーアトモス体験を楽しんでいます。

但しこれから紹介するやり方はあくまで自己流ですので、実際に行う際は自己責任でお願いいたします。

如何なる事故が起こっても、筆者及びガジェットマニアZは責任を負いません。

ドルビーアトモス用の天井スピーカー取り付けに必要なモノ

まず、リアルドルビーアトモスのホームシアターの実現にあたって以下のモノを揃える必要があります。
以下に筆者が実際に使っている品を記載します。

■突っ張り棒
天井に実際に取り付ける突っ張り棒です。かなりの長さが必要とされますので、通常の突っ張り棒ではなく「ジャッキ式」と呼ばれる突っ張り棒を用意します。
部屋の広さに合わせた長さを選びます。

■天井に吊るすスピーカー
次に、天井に吊るすスピーカーを用意します。サラウンド用のスピーカーですので、そこまで高価なものでなくて大丈夫です。
ここではONKYOのD-22XMという軽量小型スピーカーをチョイスします。
※あくまで突っ張り棒ですので、安全を考慮して軽さ優先でチョイスします。
※現在D-22XMが欠品しているようです。ヤフオクかメリカリで探してみてください。

■各種金具・小物
スピーカーを突っ張り棒に取り付けるために、以下の品々を揃えます。

↓突っ張り棒とスピーカーを吊るすためのマルカン」です。

↓「マルカン」とスピーカーを繋ぐための「L字金具」です。

L金具スピーカー繋ぐのに必要な「M5ネジ」です。

↓突っ張り棒の補強を行うための「粘着フック」です。

↓粘着フックと突っ張り棒を結ぶための「結束バンド」です。

↓天井スピーカーとアンプを繋ぐためのケーブルです。16ゲージの太さを使います。

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まずは突っ張り棒を取り付ける!

以上の品々が揃ったら、実際にドルビーアトモス用の天井スピーカーを取り付ける作業に入ります。突っ張り棒を取り付けるのが最大の難関ですので、二人がかりで設置するとスムーズに作業が行なえます。

理想のホームシアターを作るための頑張りどころです。一人でも何とか取り付けは可能ですが、お部屋が広いと大変苦労すると思います。

突っ張り棒を設置した例

まずは上記写真の様にジャッキ式の突っ張り棒を2本取り付けます。

取り付ける位置ですが、お手持ちのホームシアターのフロントスピーカーの延長線上になる様に取り付けてください。

延長線上に取り付けることによって、Dolby社規定の正規のドルビーアトモスのレイアウトになります。取り付け時は脚立が二名分あると大変楽です。

尚、上記写真ではベランダ側から突っ張り棒を伸ばしてますが、お部屋の事情によっては横付けでも構いません。

重要なのは最終的に天井スピーカーが、ホームシアターシステムのフロントスピーカーの延長線上にあることです。横付けの場合は、天井スピーカーをスライドさせて位置を合わせれば良いでしょう。

そして肝心なジャッキ式突っ張り棒の取り付け方ですが、以下の動画が分かりやすいのでご参考ください。

正しくジャッキを取り付けないと簡単に突っ張り棒は落下してしまいますので、くれぐれも正しい方法で確実に行ってください。

突っ張り棒がちゃんと取り付ける事が出来ましたら、次に念の為の保険として、突っ張り棒の補強を行います。

粘着フックに結束バンドを巻いた例

上記写真の様に「粘着フック」を突っ張り棒より上に2組取り付け、フックと突っ張り棒をくるりと巻くように「結束バンド」を巻きます。

ここのポイントですが、結束バンドを締め付けず、余裕を持たせて巻くことです。
結束バンドを締めてしまうと、突っ張り棒を持ち上げる力が働いてしまい、返って強度を落としてしまいます。

結束バンドはあくまで突っ張り棒が落下しそうになったときの「受け皿」としてお考えください。

ここまで済んだらリアルドルビーアトモスのホームシアター環境実現まであと一歩です!

ドルビーアトモス用の天井スピーカーを取り付ける!

中古で購入した「ONKYO D-22XM」

最後にドルビーアトモス用の天井スピーカーを取り付けます。

取り付けに使用したスピーカーは「ONKYO D-22XM」です。このスピーカーは1個700gと大変軽く、しかもスピーカー背面に天井取付に適したネジ穴が都合良く空いているので、 ドルビーアトモス用の天井スピーカーに適しています。
※上記のAmazon、楽天、Yahooショッピングのリンクからも購入できますが、在庫がない場合はヤフオクやメルカリでも割と売っていると思います。

L字フックはスピーカーに対して垂直に取り付ける

まず、「L字金具」と「M5ネジ」を上記写真の様に取り付けます。
ネジはキッチリと締め付けましょう。

スピーカーケーブルは16ゲージの太さのものを使用

次に配線を済ませてしまいましょう。

「ONKYO D-22XM」はスピーカーケーブルの穴が小さいため、16ゲージの太さのものを使用することをオススメします。

尚、接続したスピーカーケーブルは突っ張り棒に這わすように巻いておくと、だらんとならず見た目も良いかと思います。

スピーカーの結線が済んだらを突っ張り棒にマルカンを通して、マルカンでスピーカーのL字金具を挟み込むようにし、ボルトの穴の位置を合わせます。そしてマルカンに付属のネジを固く締めれば天井スピーカーの取り付け完了です。

この作業を残り3つ分にも行います。

突っ張り棒による天井スピーカーの設置が完成!

以上で突っ張り棒を利用した天井スピーカー取り付けによる、リアルドルビーアトモスのホームシアター環境の完成です!
天井スピーカーを取り付けるのは簡単なことではありませんが、軽量なスピーカーと頑丈なジャッキ式突っ張り棒がそれを可能にしてくれます。

尚、天井スピーカーの最適な位置は以下の画像を参考にして、スピーカーの位置を前後にずらして調整してください。今回は4つの天井スピーカーで実践しましたので、トップフロントとトップリアの位置が理想と思われます。

天井スピーカーの最適な位置

すべての設置が終わったら、突っ張り棒がぐらつかないか確認し、天井スピーカーの位置も定まりましたら、AVアンプの自動音場設定を行ってください。

その際スピーカーのプリアウト設定を「トップリア」に指定すればOKです。

外部プリアウトによるパワーアンプの追加方法は以下の画像を参考にし、接続を行ってください。今回の場合はトップリアスピーカーのプリアウトですので「HEIGHT2」プリアウト端子のみからRCAケーブルで外部パワーアンプのINPUT端子に繋ぐだけです※スピーカーケーブルは外部パワーアンプの方に接続してください。

Image:DENON

また、AVR-X4700Hではフロントチャンネルをプリアウトすることもできます。
この場合、外部パワーアンプを良いものにすることで、メインフロントスピーカーで音質アップを図りながら、外部チャンネルの数を満たすことが出来るようになります。

是非検討してみると良いでしょう。

以上、突っ張り棒を用いた天井スピーカーの設置方法の紹介でした!

ドルビーアトモスによる圧倒的なホームシアター環境はもちろんのこと、Apple Musicの空間オーディオもリアルな音響効果で楽しめる天井スピーカーレイアウト!

その効果を是非あなたのシステムで体験してみてください^^