皆さんこんにちわ!オーディオ環境周りがここ最近充実している編集部員Tです。
今回は以前記事で紹介した↓
↑このヘッドホンを買い替えてみたので新規にレビューを行います!
買い替えたのは同じくアシダ音響(ASHIDAVOX)の「ST-90-05」ヘッドホン!
10年間エイジングされてきた「TAKUMI」ヘッドホンと、10年の歳月の間に産まれた「ST-90-05」のヘッドホン。
果たしてどれだけの違いがあるのか?!
アシダ音響のおさらい
アシダ音響さんはプロフェッショナルに求められる音響開発を行って70年が経つ、老舗のオーディオ機器メーカーさんです。
その高い音響技術はプロのミュージシャンからも愛され、またデザインの先鋭的集団「TAKUMI」ともコラボレーションを行うなど、数多くの実績を残してきました。
特に堅牢性に優れた機器の開発を行っており、
- 工事現場や放送局などの過酷な使用環境に耐えるヘッドセット
- 治安、防災安全に関わる厳しい公務をサポートする情報通信用イヤホン
- 横断歩道で視覚障害者を誘導する音響信号用スピーカー
- 各種商業施設やテーマパークなどで幅広く使用される業務無線用マイクロホン
等など多彩な環境で使用されており、信頼のブランドして様々なジャンルから愛され続けています。
創業以来の「音質本位」「堅牢主義」は70年経った今も進化を続け、その魂は製品作りにしっかり活かされています。
↓今回紹介の「ST-90-05」はこちら!
ST-90-05の基本仕様
それではまず製品スペックです。
ST-90-05開発バックグラウンド
また、アシダ音響(ASHIDAVOX)さんから直接「ST-90-05」の開発バックグラウンドをお聞きすることが出来たので、掲載します。
今回の「ST-90-05」の開発背景を教えて下さい。
従来より業務用機器とは別に、大手メーカー様のOEM,ODMとして民生用ヘッドホンを手掛けてきましたが、近年はマーケットが大きく拡大したこともありヘッドホンの受注単価は大きく下落し、新規の案件も価格の面で中国、台湾系のメーカーには太刀打ちできなくなってきました。
こうした、OEM、ODMで培った技術はあってもお客様には高いといわれてしまう状況で、改めてコストを見つめ直したところ、材料費における梱包材料費の大きさが目につきました。
確かに世の中のオーディオ機器やヘッドホンのパッケージを見ると、かなり凝ったデザインでコストが掛かってるなぁ…と感じます。
それらの多くは量販店での視認性を高くするために、製品を納めるためのブリスター、厚手の紙や生地を組み合わせた立派な化粧箱、化粧箱の外側に嵌める多色刷りのスリーブなど、成型型や抜型を含めると膨大なお金が掛かっています。
そしてこれらが本当にお客様にとって必要な物なのか?という疑問からST-90-05の企画はスタートしました。
包材関係は、至ってシンプルに、その代わり製品コストは妥協せず丈夫で良いものを創ろう!がこの製品のコンセプトです。
ドライバーも新規設計の音楽用ドライバーを搭載し、コードも業務用で定評のある良質で丈夫なものを使用しています。
なるほど!徹底したコスト管理によって製品作りによりコストを掛けることが出来るようになったわけですね。
はい。製造も、自社の石巻にある工場で熟練した作業員達の手で作られています。我々の会社は知名度もないですし、大手メーカーさんのように広告宣伝費を何百万何千万単位で使うようなことも出来ません。
それでも、ネット販売という比較的コストの掛からない方法で、簡素で無骨なデザインながらも品質本位であることが分かる商品を手掛ければ「分かる方には分かって頂けるのではないか」という想いで製品化を試みました。
上記のインタビューから分かる通り、徹底したコスト管理を行うことにより、大手音響メーカーにも劣らない製品作りが可能になったのですね。
そんな精神の中に産まれた「ST-90-05」に大きな期待が持てます。
次に、製品の具体的な作りのインプレッションを見ていきましょう。
細部のディテールを見てみる
ST-90-05の細部を見てみます。
ぱっと見「TAKUM」ヘッドホンと大きな差は見られません。
ヘッドホンの横にはスライダーが設けられており、様々な方の頭部の形にフィットするよう設計されています。
これ、細かくアジャストできるのですごく重宝するんです。
このイヤーパッドが実に秀逸なんですね。耳に柔らかく吸い付くように設計されており、圧迫感を感じさせません。
音の密閉性を高めながらも、長時間付けていても疲れないイヤーパッドなんです。
このつけ心地がアシダ音響さんのヘッドホンシリーズの特徴なんですね。
しかも耐久性が抜群で、10年間使用してきた「TAKUMI」ヘッドホンも、未だにイヤーパッドが健在な堅牢性です。
コードは特殊なスリットが入っており、コードが絡まる心配がありません。
これは外出時に大変便利でして、カバンからヘッドホンを取り出してもコードがグチャグチャ!てことにならないんです。
また、コードは片耳出しなので装着するのもとても簡単。
ユーザービリティに基づいて設計されているのが分かります。
私のお気に入りがこれ!ST-90-05を首掛けにした際に、首が締まらないんです。
軽く首に乗っかっている感じ。
普通のヘッドホンて、首掛けにすると「キュッ!」と首が締まるじゃないですか?
それが皆無なんですよね。
長時間デスクに向かって作業しても首の締りがないのはストレスフリーなんです。
端子はL字型を採用。
I型に比べてコンパクトに端末にさせるので、個人的にはL字型の方が好きです。
実際に聴き比べてみた
製品ディテール紹介が終わりましたので実際に音を聴き比べたいと思います。
今回は新製品の「ST-90-05」と10年前に購入した「TAKUMI」で聴きくらべを行ってみました。
上の写真は「TAKUMI」ヘッドホンです。見た目上の違いは「ST-90-05」とほとんど違いがありません。果たしてどれだけの性能差が出たのでしょうか?
【POP】Cher/Belive
まずはUS-POPの歌手、Cher(シェール)の名曲「Belive」です。
BPMの速い曲で割とダンス系よりの音楽。
いきなり進化の差を見せつけられました!
「TAKUMI」ヘッドホンではやや曇りがちな音質でしたが、「ST-90-05」は音の解像度が2レベルくらい上がったようなクリアさで、音場がとても広く感じます。
なにより低音がきっちり立ち上がり、ベースの音に締まりがあります。
ドンシャリ系ヘッドホンは「ボコボコ」した低音な機種が多い中、この低音のキレの良さは秀逸。
10年の歳月の進化を見せつけられました。
【エレクトロニカ】DeepForest/Sweeet Lullaby
ついではエレクトロニカの異端児「ディープ・フォレスト」です。
ワールドミュージック風な側面もありながら電子音を組み合わせたニューエイジな曲ですが如何に。
こちらは先程より顕著に差が出ました!
「ST-90-05」はとにかく電子音がスキッと切れよく響き渡ります!
なにより音場が広い!この音場の広さの違いは正直驚きました。
「TAKUMI」ヘッドホンが部屋の広さくらいの音場だとすると「ST-90-05」はアリーナで聴いているような空間性です。
低音も十分な音圧があり、中高音によりがちだった「TAKUMI」ヘッドホンからの違いをまざまざと見せつけてくれます。
【クロスオーバー】SARAH BRIHTMAN/AQUESTION OF HONOR
最後にこれまたクラシカル・クロスオーバーの異端児「サラ・ブライトマン」の「クエスチョン・オブ・オナー」です。
クラシカル・トランス・エレクトロニカが入り混じった名曲に「ST-90-05」はどう応えてくれるのでしょうか?
これもいい!
特に音圧がとてもゴージャスな音響です!
サラ・ブライトマンのヴォイスがどこまでも響き渡り、その後にエレクトロ音の波がドドー!!と押し寄せてきます!
そして音圧に心を奪われがちですが、音のクリアさが際立っています。
密閉型ヘッドホンでありながら開放型ヘッドホン並の抜けの良さを持ち、どこまでも澄んだ音が響き渡ります。
正直この組み合わせには圧倒されました。
まとめ
さて、10年間のエイジングを経た「TAKUMI」ヘッドホンと「ST-90-05」の聴き比べ。
結果は「ST-90-05」の技術の進化に軍配が上がりました!
今まで少し物足りなかったTAKUMIヘッドホンの低音部分も補完され、きっちりと音の広がりの良さ、キレの良さの進歩を感じさせてくれました。
また、今まで私は開放型ヘッドホンのAKG「K701」やゼンハイザー「HD660」を使ってきましたが、この価格でそれらのヘッドホンに勝るとも劣らないクオリティの音作りと感じました。
まさにアシダ音響(ASHIDAVOX)さんの音作りの拘りがひしひしと伝わってくるヘッドホンです。
以上「ST-90-05」ヘッドホンのレビューでした!
アシダ音響公式HP:https://www.ashida.co.jp/jp/index.html
今日はアシダ音響のヘッドホンを新調してみたので、同じくアシダ音響の「TAKUMI」と音楽の聴き比べをしてみるよ!