3分で世界を立体化しよう!Scaniverse(スキャニバース)の使い方とレビュー

3DCGイメージ
Image:AdobeStock

見ているものを写真に収める。
慣れ親しんで来たその行為に今日、新たな体験が生まれます。

その名はScaniverse(スキャニバース)。
日常風景の全てを立体化する撮影アプリです。

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Scaniverse(スキャニバース)とは

Scaniverse(スキャニバース)とは現実世界の風景や身の回りのアイテムなどを3D化して収めることが出来る撮影アプリです。

LiDAR(ライダー)センサーを搭載したデバイスでは、LiDARスキャンを利用して部屋や建物などの大きな空間をスキャンできます。※LiDARセンサーは3D測距センサー技術であり、iPhone12Pro以降の「Pro」シリーズに搭載されている目に見えない不可視赤外線の定規のような技術です。

またLiDAR非搭載のカメラでもスキャンが可能で、多くの方が3D化を楽しむことができます。
※詳しくは全てのスマホで撮影できる訳ではないので、後述で示します。

↓最近何気に3D系が熱いです。

『MOJIKAI』テキスト入力で3DCGコンテンツを簡単作成!次世代デザインツール登場

Scaniverseのアプリダウンロードはここから

Scaniverse(スキャニバース)は以下のサイトからダウンロードできます。
Apple、Android両対応です。

Scaniverse - 3D Scanner

Scaniverse – 3D Scanner

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Scaniverseで具体的にどんな事ができるの?

Scaniverseはスマートフォンのカメラ機能を利用して、手軽に現実の物体や空間を3Dデータ化することができるアプリです。具体的には、アプリを起動して対象物の周囲をさまざまな角度から撮影することで、誰でも簡単に3Dシーンやモデルを生成することが出来ます。

生成された3Dは自由に視点を変えながら閲覧できるため、現実空間をデジタル上で忠実に再現することが可能です。また、完成した3DはWebリンクなどを通じて共有することができ、遠隔地にいる相手とも簡単に情報を共有できます。

また作成した3Dデータは、建築やインテリア設計の現場における空間デザイン検討、物品や空間のアーカイブ化、さらにはARコンテンツ制作や3Dプリンティングのデータとしても幅広く活用化されており、技術的には発展途上ながらすでにスタンダードなものとなっています。

【海外の方の作例サンプル】
https://scaniverse.com/scan/jd3vqsc4soagqvdj

Scaniverseの使い方

Scaniverse(スキャユニバース)の使い方はとても簡単。今までの3Dシーン撮影の常識を覆す、誰でも数分で撮影ができる画期的なアプリです。
その使い方を簡単に説明しますね。

1.アプリをダウンロードする

以下のiPhone、Androidのストアからアプリをダウンロードします。

Scaniverse - 3D Scanner

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2.撮影準備

アプリを起動するとカメラモードが表示されます。スキャンしたい対象物やエリアがよく見える場所に立ちましょう。

3.対象物の撮影(スキャン)

画面下の「+」ボタンをタップします。
すると「Splat」「メッシュ」の選択が現れます。

Splat
ポリゴンを使わず、点(ガウス分布のフィルタ)を多数配置してリアルな3Dシーンを描画するとのこと。試してみたのですが、モヤモヤ霧がかったような描写で、ちょっと美しい仕上がりにはなりませんでした。こちらの撮影モードではGPSと連動してホーム画面のMAPに投稿することが出来ます。

メッシュ
メッシュは、3Dオブジェクトを表現するための頂点(vertex)、エッジ(edge)、面(face)の集合体です。 レンダリング方法はポリゴン(三角形や四角形)を用いて形状を定義し、それにテクスチャを貼り付けてリアルな見た目を再現します。
小物や大きめのガジェット、人物撮影などに向いており、私はこちらを好んで使います。

4.メッシュで撮ってみる

Splatはどうも難しくちょっと癖があるので(後述します)、メッシュで撮ってみます。
3D化したい対象物の大きさの選択肢が出てきますので、適当なものを選びます。

撮影画面に移りますので、スマートフォンを縦の状態にし、画面下の赤い丸のRECボタンをタップすると、レコーディングが始まります。
画面は網掛けだらけのメッシュになっていると思いますので、3D化したい箇所を網掛けが無くなるまで丹念に撮影していきます。※撮影中はRECボタンを押し続ける必要はありません。

5.レンダリングする

RECボタンを再度押すと「処理モードを選択」画面になりますので、3つのモードから選び、レンダリングを行います。※この時点の3DCGはプレビュー画質なのでがっかりしないでくださいね。レンダリングするとちゃんと美しく仕上がります。

スピード…画質は一番低いが、レンダリング速度が速い

エリア…広大なシーンを撮影した時に向くレンダリング

ディテール…オブジェなどのレンダリングに向く。おそらく一番高画質

6.共有と活用

作成した3DシーンはリンクやSNSなどを通じて共有できます。
また、VRヘッドセット(Meta Quest 3など)を使えば、作ったシーンに自分が入り込むようにして体験することも可能です。

自分だけの箱庭を作るような感覚がとにかく楽しいんですね。
次に詳しい共有方法を述べます。

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Scaniverseで作ったシーンの共有の仕方

  1. SNSやウェブサイトに共有
    Twitter(X)やInstagramなどにリンクを貼り付けたり、ウェブサイトやブログに埋め込んで、手軽に公開可能です。
  2. ファイル形式でエクスポート
    作った3DデータをOBJ、USDZ、GLB形式などに書き出して、BlenderやUnity、WebGLなどの3Dソフトに取り込んでさらに活用可能

Meta Quest3でScaniverseを楽しむ

Image:Adobe Stock

Scaniverse(スキャユニバース)を使用することで、自分で作成した3Dシーンの中に実際に入り込む体験が可能になります。スマートフォンで手軽に撮影した空間や物体が、Meta Quest 3を通じてまるで現実のような仮想空間として再現され、自分自身がそのシーンの中を歩き回ることができます。

また、自分の作成した3Dシーンだけでなく、世界中のユーザーが作成・共有した美しいシーンにもアクセス可能です。各地の歴史的建造物や風景、芸術的なオブジェクトなど、多様な3DコンテンツをMeta Quest 3の没入感あふれる視界で体験できます。高品質なVR空間として再構成されたシーンの中で、新しい視点や感動を味わうことが可能です。

実際MetaQuestを持っている人にとっては、Scaniverseみたいなサービスは巨大なコンテンツであり、使い勝手がすごくありそうです。

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Scaniverseを初めて撮った感触

初めてこのアプリを使った感想ですが、インターフェースが良く出来ているなと思いました。割とこういうアプリで多いのが、簡素化しすぎて必要な機能がどこにあるのか分かりづらいということ。しかしこのアプリは必要最小限でありながら撮影までのプロセスがとても分かりやすく、敷居が低いということでした。

Splatはともかくメッシュ機能は網掛けを塗り潰していった箇所が3D化されるという分かりやすいもので、塗り絵感覚で撮影できるのが楽しかったです。

また、レンダリングを終えて生成される3Dシーン&オブジェは美しく、こんな品質の3DCGがたった3分程度で作れてしまうのかという軽い衝撃に見舞われました。

今度は趣味であるキャンプを行った際、マイキャンプサイトをスキャンして、箱庭遊びを楽しみたいと思います。

Scaniverseの作例

Splatとメッシュでそれぞれ実際に撮影したサンプルを掲載しますね。
まだ画質アップの撮り方があるとは思うのですが、今のところこんな感じで…ドラッグしたり、ピンチして遊んでみてください。

【メッシュで撮影した一眼レフカメラ】
https://scaniverse.com/scan/d5sqz7td5fdkbmuj

【Splatで撮影した筆者のデスクトップ】
https://scaniverse.com/scan/mpblpllwxgpwyvzx


実際に感じた感想としては、まだ発展途上の技術なんですが、とにかく箱庭感が楽しくてあれもこれもと撮りたくなります。

しかし3Dオブジェクトなんかはいいのですが、3Dシーンの広さを撮るとなるとレンダリングの仕上がりがちょっと粗いんですよね。

あと、何気に処理負荷が掛かるのかスマホが熱くなります。

これからアップデートを重ねるたびにより良い仕上がりになると思うと、待ち遠しいです。
また、メッシュタイプだと3DCGソフトと連携が可能な形式で書き出せるので、遊び甲斐があるなと感じます。

ちょっと癖はあるScaniverse

Splatを使用した撮影画面

何日か使ってみたのですが、メッシュを使用した小さめのオブジェクトは中々の仕上がりだと思います。撮影自体も網掛けを消していくだけで、分かりやすさも良いです。
しかしSplatを使用した3Dシーンの撮影は少し癖があります。

モヤモヤとガスのようなノイズが画面を覆い、どこがスキャンされたのかがイマイチというか、かなり分かりづらいです。そんな中3分位経つと撮影終了を促されるのでこれは結構なストレスです。

結果、出来上がった3Dシーンを見ても、もう少しあそこを撮っておけば良かったなとか、撮ったはずの箇所が反映されずガスのように穴が空いたりして、多分ですが皆さんもモヤモヤする気持ちに陥ると思います。

ここは今後のアップデートにてさらなる改善を期待したいところです。

でもScaniverseのマップ散策は楽しい

主に東京23区内なんですが、ご覧の通りすごい数の撮影スポットがあり、まるでポケモンGOのように都会人の皆さんがあちやこちやで3Dシーンを撮影しまくっています。それもそのはず、このアプリはポケモンGOを作った会社が運営しているんですね。道理で既視感を覚えるわけです。

MAP上のパワースポットの様に湧き上がる水色の噴水みたいな箇所をタップすると、皆さんが撮影した3Dシーンを眺める事ができるのですが、それが意外と楽しいのですね。
良く出来た3D空間の中を小旅行する感覚というか…いつまでも飽きずにグイングイン3Dシーンを色んな視点から見て遊べます。

しかしまだ発表から4年ちょっとという事もあり、地方ではあまりMAP化されていません。ニッチなアプリではあるのですが、この楽しさを皆さんにもっと知っていただきたいです。

Scaniverse(スキャニバース)対応のスマホ・タブレット

以下にScaniverse(スキャニバース)が使えるスマホ・タブレットの一覧を掲載します。基本的には「LiDAR(ライダー)」という3D測距センサーを使うことにより、正確な3Dスキャンを実現します。しかしLiDAR非搭載のモデルでも「フォトグラメトリ」という技術を用いて可能です。具体的には被写体の周囲を撮影し、多角度からの画像をAIが解析を行います。そして複数の画像を重ね合わせ、奥行きや形状を再構築することで3Dを作成することができます。
無印iPhoneを買っている人にも嬉しい配慮ですね。

LiADRの詳しい技術内容については以下を参照。
https://digital-construction.jp/guide/182

iOSデバイス

LiDARスキャン対応デバイス(LiDARセンサー搭載モデル)

  • iPhoneシリーズ
    • iPhone 12 Pro / 12 Pro Max​
    • iPhone 13 Pro / 13 Pro Max​
    • iPhone 14 Pro / 14 Pro Max​
    • iPhone 15 Pro / 15 Pro Max​
  • iPadシリーズ
    • iPad Pro 11インチ(全世代)​
    • iPad Pro 12.9インチ(第4世代以降)

非LiDARスキャンデバイス(LiDARセンサー非搭載モデル)

  • iPhoneシリーズ
    • iPhone XS / XS Max​
    • iPhone XR​
    • iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max​
    • iPhone 12 / 12 mini​
    • iPhone 13 / 13 mini​
    • iPhone 14 / 14 Plus​
    • iPhone SE(第2世代および第3世代)​
  • iPadシリーズ
    • iPad(第8世代以降)​
    • iPad Air(第4世代以降)​
    • iPad mini(第5世代以降)​

必要OSおよびハードウェア要件

  • iOS:​iOS 14.0以降​
  • プロセッサ:​A12 Bionicチップ以降を搭載したデバイス​

これらのシステム要件により、iPhone XS以降のモデルおよび対応するiPadモデルでScaniverseを利用できます。 ​

Androidデバイス

対応要件

  • OSバージョン:​Android 7.0以降​
  • RAM:​少なくとも4GBのRAM​
  • 機能対応:​ARCoreおよびDepth APIに対応していること​

ただし、AndroidデバイスではLiDARスキャン機能は利用できません。

まとめ:Scaniverseのこれから

Scaniverse(スキャニバース)みたいなアプリは割と爆発的な人気と言うよりは、静かなムーブメントで落ち着くんだろうなぁと思っています。
私の中では一時流行った空間撮影みたいな体験だと思いました。iPhoneのカメラに搭載されている「空間」ですね。あれを彷彿とさせます。

いずれiPhoneなどにもサラッと搭載されるのではないでしょうか。
それをみんなが使えば巨大なマップが形成されて、撮影のロケハンや旅行の下見などにも活用される時代が来るのかな、なんて想像しちゃいます。

何度も言いますが、Splatの画質は正直厳しいです。デスクトップを丹念に撮影したつもりでしたが、結果ガビガビでした。※メッシュは良いと思います。
ここが今後のアップデートで良くなれば、一気に神アプリへと進化するのではないでしょうか。

という事で、MetaQuestがますます欲しくなるなぁと感じる体験でした。

参照元一覧

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有邊冬萠|Tomo Aribe広告映像デザイナー・ディレクター
広告デザイン歴25年、映像制作歴20年のガジェット好きのトランスジェンダーです。 2021年2月よりガジェットレビューブログ「ガジェットマニアZ」を運営開始。広告クリエイター目線で選ぶデザイン性・機能性に優れたガジェット情報を発信しています。また、Amebaチョイスの公認専門家としても活動中。スマートタグの記事はこちら。

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