ソナス・ファベールの初代エレクタアマトールを購入しました。

筆者は音楽が好きです。
音楽が好きと言っても一般の方に毛が生えたくらいなので、沼にハマっているつもりはありません。しかし、今ままでに一番お金をつぎ込んだものは何かと聞かれると、オーディオ機器になります。
スピーカーもこの一年でDALIのZENSOR7から、ソナス・ファベールのルミナⅢ、同社のベネレ・シグネチャーと変えてきました。
音楽好きに毛が生えたくらいのわりには、中々頑張ったと思います(笑)

世の中は広く、こんな私はオーディオ沼の住人の方たちに言わせるとまだまだひよっこなんですね。世の中は本当に広いです。

そんな私ですが、終のスピーカーを設置すべく色々なスピーカーを聴き比べてたどり着いたのが、ソナス・ファベールの初代エレクタアマトール(前期型)でした。

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Sonus faber Electa Amatorの外観

木の美しさを全面に押し出した究極のデザイン

美しい…ただひたすら美しい…。

ソナス・ファベールはイタリアに拠点を置く工房で、スピーカーづくりの匠、フランコ・セルブリン氏によってと北イタリアの町ヴィチェンツァで創業されました。

スピーカー名の由来はラテン語で「選びぬかれた友人」を意味します。

エンクロージャーには今では輸入規制が掛かっている貴重なブラジリアン・ローズウッドを贅沢に使い、美しい細工でエンクロージャーが組まれています。また、台座の大理石に埋め込まれた木のスタンドが見事な美しさを放っています。

フロントバッフルには分厚い本皮が貼られ、18cmのウーファーはバッフルからこぼれるデザインとなっており、その部分が盛り上がっています。ここがエレクタアマトールのデザインポイントです。

Sonus faberについて

大理石と木のコラボレーションが美しいスタンド

初代エレクタアマトールはソナス・ファベールの創業者、フランコセルブリンにとって日本では初めてのデビュー作であり、氏を代表するスピーカーであるとも言われています。

現代の音楽性とは全く異なるアプローチで作られている初期のソナス・ファベール エレクタアマトールは、箱鳴りを上手く活かす設計で木の温もりや美しさを活かすエンクロジャーを創る事に焦点を当てました。そのエンクロージャーは木の美点を音に表した大変味わい深いものに仕上がります。
そしてその結果、エレクタアマトールは独自の世界観を創ることに成功し、日本のみならず世界中に熱烈なファンを生み出す事に成功しました。

Sonus faber Electa Amatorの仕様

初代エレクタアマトールの仕様を見てみますと、エンクロージャーには先程紹介したブラジリアン・ローズウッドが採用されており、また、トゥイーターにはDynaudioのT330という、最高級のユニットを搭載しており、ウーファーもスキャンピーク製の特注品です。

この豪華な仕様が、如何にフランコセルブリンにとって重要視されたデビュー作であるかが分かります。

そして、27年前のスピーカーが今なお、劣化もなしに動作することに驚愕の念を禁じえません。

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Sonus faber Electa Amatorの音質

バイワイヤリング仕様のスピーカー端子

実際に音を色んな音を聴いてみてのレビューを書いてみたいと思います。
筆者の環境ですが、マッキントッシュのMA7200での試聴となります。

まず外観ですが、18cmウーファーがバッフルからこぼれるデザインは、このスピーカーのアクセントかなと思います。

ツイーター、ウーファーのデザインはいかつくて好みが別れそうですが、木(貴重なブラジリアンローズウッド)を多用したエンクロージャー、スタンドのデザインと質感は芸術的だなと感じます。

音質に関してですが、初代アマトールはかなりねっとりとした濃厚な音です。また、音にスケール感があり、曲によっては思わずハッとさせられます。特に弦楽器とボーカルは魅惑的な魔力を持ちます。バイオリンなどは艶々と高らかに鳴り、ボーカルは息使いやリップの濡れ感にリアリティがありゾクゾクします。

イメージですが、スピーカーからプルんと水泡みたいなものが出てきて、音を包み込む柔らかさの様なものを伴います。

また、筆者が以前所有していたベネレシグネチャーと比べて、音像・定位がハッキリしており、滲みの少ない良好なサウンドが得られています。

低音は最低域は45Hzからですが量感が凄く、下手なトールボーイよりよく出てます。
ベネレシグネチャーより出ていると感じるほどです。これはブックシェルフとしては凄いことだと思います。

纏めますと初代エレクタアマトール(前期型)は大変味わい深い音を持つ楽器で、クラシックやジャズボーカルなどを美音で聴かせてくます。しかしポップスも豊かな低音に支えられ美しく聴かせてくれる懐の深さを持った名機だと感じました。

最後に、エレクタアマトールの空気録音を載せておきます。

まとめ

イタリアの風の心地よさを感じさせる、ソナス・ファベールの初代エレクタアマトール。
味わい深く、オーディオファイルを魅了してやまないその音は、一見陽気で、しかしどこか魅惑的な大人の女性を思わせるもの。

初期のソナス・ファベールはそんな魅力や魔力を生み出す工房であったと思います。
どこまで洗練された現代スピーカーの中にあって、25年上前のこのスピーカーでしか出せない音がある。

私が最新のエレクタアマトールⅢを買ったとしても、多分満足するでしょう。
しかしこの音を知ってしまったら、離れられない魔力がある。

それがソナス・ファベールの初代エレクタアマトールです。